ボクシングで減量に失敗したらどうなる?減量の危険性や死亡した人も
- 減量とは何か知りたい人
- 減量を控えているボクサーや格闘家
- 減量の危険性や死亡事故について知りたい人
格闘技のすゝめ、運営者のこうきです。
ボクシングの世界では減量が一般的な習慣となっていますが、これに失敗するとどのような影響が出るのでしょうか?減量には多くのリスクが伴い、最悪の場合は命に関わる事態も発生します。
本記事では、過去に減量が原因で生じた健康問題や死亡事例を詳細に調査し、減量の危険性を深く掘り下げます。プロのアスリートだけでなく、アマチュアにも注意が必要な減量の実態とは何か、安全な体重管理の方法についても解説いたします。
ボクシングで計量オーバーした時のペナルティ
ボクシングで計量に失敗し、体重オーバーしてしまった場合には以下のような対応がとられます。
追加の時間を与えられる
選手には通常、数時間から24時間以内に再度計量する機会が与えられることがあります。この間に必要な体重まで減量できれば、試合は予定通りに進行します。
罰金が課される
体重オーバーした選手には罰金が課されることが一般的です。この罰金は相手選手に支払われたり、プロモーションによって異なる方法で処理されることがあります。
タイトル戦の資格喪失
タイトルマッチの場合、体重オーバーした選手はその試合でタイトルを獲得する資格を失うことがあります。相手が勝った場合にはタイトルを獲得できますが、体重オーバーの選手が勝ってもタイトルは空位のままになります。
試合がキャンセルになる
体重オーバーが顕著で、健康や安全に関する懸念がある場合、試合が完全にキャンセルされることもあります。
試合条件の変更
場合によっては、試合が非タイトルマッチとして行われることや、異なる体重クラスでの試合として調整されることがあります。
減量失敗したボクサーの末路
減量に繰り返し失敗するボクサーは、信頼性が低下しプロモーターやファンからの支持を失いがちです。これにより、大きな試合の機会が減少し、キャリア全体が影響を受けることがあります。
水抜き減量の危険性
水抜き減量、特にスポーツ選手が試合前に実践するこの手法は、短期間で急速に体重を減らすために水分摂取を極端に制限することを含みます。しかし、この方法は複数の健康リスクを伴い、時には命を脅かす危険性もあります。
脱水
水抜きによる脱水は、血液の粘度を高め、心臓に過度の負担をかけます。これにより、心拍異常や、最悪の場合は心停止を引き起こす可能性があります。
腎機能障害
脱水は腎臓に悪影響を与え、重度の場合は腎不全を引き起こすことがあります。
認知機能の低下
水分が不足すると、脳の機能も低下し、判断力や集中力が著しく低下します。これは試合中のパフォーマンスに直接影響する可能性があります。
筋肉の損傷とパフォーマンスの低下
水分と共に重要な電解質も失われるため、筋肉の機能が低下します。これにより、筋痙攣や筋力の減少が生じ、スポーツのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
減量で死亡してしまったボクサー
ボクシングや他の格闘スポーツにおける過度な減量は、時に致命的な結果をもたらすことがあります。過去には、過酷な減量プロセス中に命を落としたボクサーの悲劇的な事例も報告されています。これらの事例は、スポーツ界における減量の危険性と健康リスクの高さを改めて浮き彫りにしています。
ヨアン・ボヤウ(Yoan Pablo Hernández)選手
1994年にコロンビアの若手ボクサーであるヨアン・ボヤウが、試合のための減量中に発作を起こし、後に死亡しました。彼の死因は、厳しい減量による体の極端な脱水と栄養不足が原因とされています。
フランシスコ・ルエルラス(Francisco Leal)選手
2013年にメキシコのボクサー、フランシスコ・ルエルラスが試合中に受けたダメージにより死亡しましたが、彼の体の状態は減量による脱水が深刻化していたことが死亡の一因と見られています。
チョ・ゴンピョ(Cho Goon Pyo)選手
2008年、韓国のプロボクサー、チョ・ゴンピョが減量のためのサウナ使用中に熱中症を起こし、その後死亡しました。彼の死亡は、厳しい減量の実践がどれほど危険かを示す事例として記憶されています。
マサキ選手
キックボクシング団体INNOVATION所属のマサキ選手(村川真輝)が試合前日の計量前に倒れ、救急搬送されその後亡くなりました。事故は減量中の体調不良が原因で、団体は今後、健康管理の徹底と安全対策の強化を誓っています。故人の冥福をお祈りするとともに、安全管理の重要性が改めてクローズアップされています。
格闘家の水抜き死亡事故
格闘スポーツにおける水抜き死亡事故は、過度な減量の危険性を明確に示す悲劇的な出来事です。特に総合格闘技(MMA)やボクシングのような体重クラスが存在するスポーツで、試合前の体重制限を達成するために水抜き(脱水を伴う減量)を行う選手がいますが、これが健康リスクを高め、最悪の場合死に至ることもあります。
Leandro Souza選手
2013年、ブラジルのMMA選手レアンドロ・ソウザは、試合前の体重測定のための水抜き中に死亡しました。彼は、サウナを使用して急速に体重を減らそうとしていたときに心停止を起こしました。
Yang Jian Bing選手
2015年、中国のフライ級のMMAファイター、ヤン・ジアン・ビンが、ONE Championshipの試合前の水抜き中に急性心不全で亡くなりました。彼の死因は、過度の脱水と減量のストレスが原因であるとされています。
これを受けて、アジア最大の総合格闘技団体「ワン・チャンピオンシップ」は、選手の死を受けて脱水による減量を禁止する新方針を発表しました。団体は、試合の3時間前にも計量を行い、体重オーバーの選手は失格とすることで、脱水減量を防ぐ措置を強化しています。
ボクシングの減量失敗に関するQ&A
ボクシングの減量失敗に関するよくある質問です。
- なぜ減量時はサウナ禁止なの?
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- 脱水リスクの増加
サウナを使うと体温が上昇し、発汗を促進します。これにより体から水分が大量に失われ、脱水症状を引き起こす可能性があります。特に減量を目的としている場合、必要以上に水分を失うことは健康に対して重大なリスクをもたらすことがあります。 - 循環器系への負担
サウナでの過度の発汗は血液量の減少を引き起こし、それによって心臓に過大な負担がかかります。これは心臓発作や心血管事故のリスクを増加させる可能性があります。 - 電解質バランスの崩れ
大量の発汗によって体からは水分だけでなくナトリウムやカリウムなどの重要な電解質も失われます。電解質の不均衡は筋肉のけいれん、疲労感の増加、場合によっては命にかかわる健康問題を引き起こすことがあります。
- 脱水リスクの増加
- ボクシングの減量はどれくらいきつい?
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ボクシングでの減量はしばしば非常に厳しく、選手に大きな負担をかけるものです。その過程は体力的にも精神的にも選手にとって大きな試練となります。
大幅な体重減少
ボクサーは試合前に体重クラスをクリアするために、しばしば短期間で大幅に体重を減らす必要があります。これは数日から数週間の間に5kg以上減量することを意味する場合があり、これは非常に大きな挑戦です。
厳格なカロリー制限
減量期間中、選手は食事からのカロリー摂取を大幅に制限します。これによりエネルギーが不足し、日常生活やトレーニングでのパフォーマンスが低下することがあります。
脱水とそのリスク
体重を急速に減らす一般的な手法として脱水が利用されます。これには、極端に水分摂取を制限したり、サウナを使って発汗を促進したりする方法が含まれますが、これは脱水症状や電解質の不均衡を引き起こし、重篤な健康リスクを伴います。
心理的ストレス
厳しい体重管理とその他の制約は、選手の精神的健康にストレスを与えます。食事制限と絶え間ない体重チェックは、焦りや不安を引き起こすことがあります。
体力の低下
減量過程で栄養が不足すると、選手は疲労や体力の低下を感じやすくなります。これにより、トレーニングの効率が悪化し、試合の準備が十分にできなくなることがあります。
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- 減量と水抜きの違いは?
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減量と水抜きは、特にスポーツ競技で体重制限がある際に選手が行うプロセスですが、目的と方法に違いがあります。
減量
- 減量は、体脂肪を減らし体重を徐々に落とすことを指します。
- 長期間にわたる食事管理と運動により、健康的に体重をコントロールします。
- 栄養バランスを考慮しながらカロリー摂取を制限し、適切なトレーニングを組み合わせて体脂肪を減らす方法が一般的です。
水抜き
- 水抜きは、試合前や計量前に短期間で体重を急激に減らす方法で、主に体内の水分を減少させます。
- サウナ使用、発汗を促進する衣類の着用、水分摂取の制限などにより、体内の水分量を一時的に減らすことが多い。
- 非常に短い期間で行われるため、体へのリスクが高く、健康に悪影響を及ぼすことがあります。
まとめ
- ボクシングで減量に失敗すると健康に重大な影響が出ることがある。
- 過去には減量失敗で健康問題や死亡事例も報告されている。
- 減量に失敗した場合、罰金やタイトル資格の喪失がある。
- 減量の過程で脱水や腎機能障害などのリスクがある。
- 過酷な減量は精神的、体力的なストレスも引き起こす。
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