肘打ちの種類とやり方を解説!ムエタイや格闘技で活用しよう
- 肘打ちの基本的なやり方を知りたい
- 肘打ちの対処方法を教えて欲しい
- 相手に肘打ちが当たらない
キックボクシング上達ブログ、運営者のこうきです。
肘打ちは、ムエタイを始めとする多くの格闘技で利用される強力な打撃技です。
そのパワーと接近戦での有効性は、相手をKOする可能性を高めます。
しかし、その効果を最大限に引き出すには正しい「肘打ちのやり方」を理解し、練習することが必要です。
本記事では、肘打ちの基本的な動きから始め、さまざまなタイプの肘打ち(例えば上から下への肘打ち、横からの肘打ちなど)、そして練習を通じて肘打ちをより有効に使うためのテクニックと戦略について詳しく説明します。
これらの情報は、あなたが格闘技を始めたばかりの初心者であろうと、経験豊富なベテランであろうと、あらゆるレベルの読者にとって有用です。
肘打ちはパワフルな武器であり、それを使いこなすためにはテクニックが必要です。
本記事を通じて、肘打ちの真の力を理解し、自分のスキルセットに取り入れるための知識を得ることができます。
記事後半では実際に僕も行っている肘打ちの練習方法もご紹介しています。
柔道、キックボクシング、総合格闘技を10年ほど実践してきた経験を基に解説しますので、ぜひ参考にしてください。
肘打ちとは
肘打ちとは、格闘技における打撃技の一つで、自身の肘を使って相手にダメージを与える技のことです。
非常に強力な打撃で、相手の頭部や体に当てることで、大きなダメージを与えることが可能です。
肘打ちは、ムエタイや総合格闘技などでよく見られる技で、相手との距離が非常に近い接近戦で効果を発揮します。
様々な角度から打撃を繰り出すことができるため、予測困難で防御しにくいという利点があります。
ただし、肘打ちはその威力と怪我のリスクの高さから、ボクシングのような一部の格闘技では禁止されています。
肘打ちが危険と言われる理由
以下に、肘打ちが危険と言われる理由を解説します。
強烈な威力
肘打ちは非常に強力な打撃を与えることができます。
肘は骨が直接皮膚に接している部分であり、一点に集中する力は非常に大きく、それが頭部に当たると深刻なダメージを与える可能性があります。
肘打ちはKOを引き起こし、場合によっては意識不明や脳震盪を引き起こす可能性もあります。
カット(切り傷)を引き起こす
肘の骨の部分は鋭く、これが相手の皮膚に接触すると容易に切り傷を引き起こす可能性が高いです。
特に顔面や頭部への肘打ちは特に出血を引き起こしやすく、視界を妨げるほどの出血や試合の停止を招くことがあります。
肘打ちで皮膚が切れる理由
肘打ちは肘の骨を使って打撃を行うため、非常に強い力を伴います。
そして、肘は非常に硬い部位であり、肌の上にはあまり脂肪組織がないため、直接骨が当たることになります。
これが皮膚が切れやすい主な理由です。
ただし、皮膚が切れるかどうかは、打撃の角度や力の加わり方、受けた側の皮膚の状態など、さまざまな要素によって変わります。
そのため、肘打ちが必ずしも皮膚を切るわけではありません。
肘打ちの狙う場所
肘打ちは非常に強力な近距離の打撃技であり、その威力を最大限に活用するためには狙う場所が重要です。
以下に、肘打ちの狙う場所を解説します。
顔面
顔は肘打ちが最も一般的に狙われる場所です。
特に、鼻、あご、こめかみは狙われやすい部位で、これらの部位への肘打ちは相手をKOに導く可能性があります。
頭部
頭部全体もまた、肘打ちの対象となる場所です。
頭部への強力な打撃は、脳震盪を引き起こす可能性があります。
肘打ちの種類
以下に、肘打ちの種類を解説します。
横肘
横肘は、打撃者の腕が水平になるように打つ肘打ちです。
肘を前に突き出し、自分の肘を相手の目標部位(顔面または頭部)に向けて強く横に振ります。
肘の先端部を使用して打撃を加え、全身の力を伝達することで強烈な打撃力を発揮します。
縦肘
縦肘は、打撃者が自分の腕を垂直に保ちつつ、下から上へと肘を打ち上げる動作で実行されます。
この動作は、相手のガードを突破したり、クリンチ(組み手)状態で効果的に使用されます。
主に相手の顔面や頭部を狙うことが多いです。
跳び肘打ち
跳び肘打ちは、打撃者が文字通り跳躍しながら肘打ちを行う技です。
これにより、通常の立ち位置からでは届かない距離を補い、また予期せぬ角度からの攻撃を可能にします。
しかし、正確なタイミングと高い技術が必要で、成功すれば劇的な結果をもたらすことがありますが、失敗すれば大きなリスクも伴います。
回転肘打ち(スピニングエルボー)
回転肘打ちは、打撃者が自身の体を回転させながら肘打ちを行う技です。
この技は予測が難しく、予期しない角度から相手に強烈なダメージを与えることができます。
ただし、体全体を回転させるため、自身のバランスや位置を保つためには高度な技術とコントロールが必要です。
肘打ちが禁止の格闘技が多い理由
それぞれの格闘技で肘打ちが禁止されている理由を解説します。
ボクシングの肘打ち
ボクシングはパンチ技を主としたスポーツであり、競技者のパンチスキルを競うことが中心です。
肘打ちはこの基本的な原則から逸脱する行為であるとされています。
また、肘打ちは反則や不正行為と見なされることが多いため、ボクシングの競技精神からは外れる行為となります。
キックボクシングの肘打ち
キックボクシングは、パンチとキックに焦点を当てたスポーツです。
国や組織によってキックボクシングのルールは異なる場合がありますが、一般的にはパンチとキックのみが許され、膝や肘による打撃は禁止されています。
総合格闘技の肘打ち
特定の種類の肘打ちは審判が判断するのが難しく、それが試合の結果に影響を与える可能性があります。
例えば、「12時から6時の肘打ち」(肘を上から下へと打ち下ろす動作)は、一部の組織では禁止されています。
理由の一つとして、打撃の強さと判定の困難さから、適切に制御するために禁止されています。
また、相手に非常に重大な傷害を引き起こす可能性があるためです。
空手の肘打ち
空手は、一連の特定の技術と形を重視する武道です。空手の試合では、技術の美しさや形の完成度が評価されます。
肘打ちはこの美学から逸脱する可能性があり、それが禁止される理由の一つです。
また、歴史的に素手で戦うことを強調する武道です。この伝統を尊重し、継承するために、一部の空手の形式では肘打ちは禁止されています。
ただし、空手の流派や組織によっては、肘打ちを許可するものもあります。
威力の高い肘打ちのやり方
以下に、威力の高い肘打ちの基本的なやり方を解説します。
立ち位置
まず適切な立ち位置を取ります。
肘打ちは非常に短い距離での打撃であるため、相手に対して十分に近づくことが重要です。
腰の回転と体重移動
威力のある打撃を生み出すためには、全身を使って力を伝えることが重要です。
肘打ちは腕だけでなく、体重移動や腰の回転によって力を増幅します。
打撃の瞬間に体重を前方または打撃方向に移動させ、腰を回転させます。
肘の先端部分で攻撃する
肘打ちは肘の先端部分、特に骨の一部で打撃を行います。
打撃を行う前に、肘を高く持ち上げ、打撃方向に向けてください。
そして、肘の先端部分を相手に向けて急速に突き出します。
素早く打撃を行う
肘打ちは非常に短い距離で効果を発揮するため、相手が防御する時間を与えないように打撃を行うことが重要です。
また、打撃の瞬間には息を吐き出し、筋肉を締め上げることでパワーを増加させます。
肘打ちの練習方法
以下に、肘打ちの基本的な練習方法を解説します。
サンドバッグ
サンドバッグは、肘打ちのパワーと精度を向上させるための最適なツールです。
肘打ちは短距離の打撃であるため、サンドバッグに対して十分に接近してから打撃を行います。
スパーリング
スパーリングは実際の試合に近い状況で肘打ちを練習するための方法です。
パートナーと一緒に軽いスパーリングを行い、相手の動きに反応して肘打ちを打つタイミングを学びます。
ただし、肘打ちは危険な打撃なので、十分な安全対策を講じてスパーリングを行ってください。
肘打ちの対策
以下に、肘打ちに対する基本的な対策方法を解説します。
相手との距離を保つ
肘打ちは非常に近い距離での打撃技です。
それ故、可能な限り相手との距離を保つことで肘打ちのリスクを軽減することができます。
ジャブやローキックなどの打撃技やフットワークを利用して、相手から適切な距離を保つことが重要です。
クリンチでのコントロール
相手が肘打ちの範囲に入った時、クリンチ(組み手)を利用して相手の動きを制御することも効果的です。
クリンチでは相手の頭や肩をコントロールすることで、肘打ちを防ぐことができます。
肘打ちでKOした試合の動画
以下に、肘打ちでKOした試合の動画をご紹介します。
ミルコ・クロコップの肘打ち(RIZIN)
ブランドン・ロイバルの肘打ち(UFC)
肘打ちに関するQ&A
以下は、肘打ちに関するよくある質問です。
- 肘打ちは護身術にも使える?
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肘打ちは近距離での防御や反撃に非常に効果的な打撃技であり、理論的には護身術の一部として使うことができます。
ただし、肘打ちは力が集中するため、使い方によっては相手に重傷を負わせる可能性があります。
そのため、自己防衛の目的で使用する際は、必要以上の力を使わず、相手を無力化する程度に抑えることが重要です。
- 肘打ちは喧嘩で使える?
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法律や倫理的な観点から考えると、無理に戦闘や暴力に訴えることは避けるべきです。
喧嘩や暴力行為は、多くの国や地域で法律で禁止されています。
また、肘打ちは危険な打撃であり、人に重傷を負わせる可能性があるため、特に控えるべきです。
- 目を狙って肘打ちをしてもいい?
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スポーツや競技の規則、そして道徳的な観点から見て、意図的に相手の目を狙って攻撃することは許されません。
これは重大な傷害を引き起こす可能性があり、選手の安全を守るために一般的に禁止されています。
- 喉を狙って肘打ちをしてもいい?
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喉を狙った攻撃は、相手に生命の危険を及ぼす可能性があります。
スポーツや競技の規則、そして道徳的な観点から見て、意図的に相手の喉を狙って攻撃することは許されません。
まとめ
- ムエタイやMMAなどの格闘技における打撃技の一つで、肘を使ってダメージを与える技。
- 非常に強力な打撃で、特に接近戦で効果を発揮する。
- 一部の格闘技では禁止されている(例:ボクシング、キックボクシング)。
- 非常に強力な打撃で、深刻なダメージを与える可能性がある。
- KOや意識不明、脳震盪を引き起こす可能性がある。
- カット(切り傷)を引き起こす可能性が高い。
- 肘打ちは肘の骨を使って打撃を行い、非常に強い力を伴う。
- 肘は硬く、皮膚の上にはあまり脂肪組織がないため、直接骨が当たる。
- ただし、肘打ちが必ずしも皮膚を切るわけではない。
- 顔(特に、鼻、あご、こめかみ)
- 頭部全体
- 体幹(あまり一般的ではないが、特定の状況下では有効な攻撃手段)
- 横肘:打撃者の腕が水平になるように打つ肘打ち。全身の力を伝達することで強烈な打撃力を発揮する。
- 縦肘:打撃者が自分の腕を垂直に保ちつつ、下から上へと肘を打ち上げる動作で行う。
- 跳び肘打ち:打撃者が跳躍しながら肘打ちを行う技。予期せぬ角度からの攻撃を可能にする。
- 回転肘打ち:打撃者が自身の体を回転させながら肘打ちを行う技。予期しない角度から相手に強烈なダメージを与える。
- 立ち位置は、肘打ちは短い距離での打撃であり、適切に近づくことが重要。
- 打撃の瞬間は腰の回転と体重移動を意識する。
- 肘の先端部分で攻撃する。
- 相手が防御する時間を与えないように素早く打撃を行うことが重要。
- 打撃後はすぐ防御体勢に戻る。
- 肘打ちは非常に近い距離での打撃技であるため、可能な限り相手との距離を保つ
- 相手が肘打ちの範囲に入った時、クリンチ(組み手)を利用して相手の動きを制御できる。
- 相手の動きや体のポジションから肘打ちの兆候を読み取ることも大切。